2006年02月17日(金)
花森安治と暮らしの手帖展 [観る]
世田谷文学館で開催中の「花森安治と暮らしの手帖展」見にゆく。
壁面にバーッと並べられた「暮らしの手帖」。
一部の記事が拡大されパネルになっているのだが、見開きだけの表示なので、すっきりしないというか、魅力的なコピーに大胆な力技のはいった誌面を見ていると、やっぱり続きが読みたくなる。
本文の版下があったのが個人的にうれしく、スペースに比べて明らかに大きすぎる級数の写植がぎちぎちにつめて貼ってあるのを見ていると、なんだか作っている人の存在そのものがちぎれて貼り付けられている感じがした。
花森氏の印象深いエピソードとしては、
・いい、と思った文章がひたすら書き写されている、何十冊ものノートがあった
というもの。文章がうまくなるにはいい文章を読むのが早道、という考えからしていた行動だそうで、中には同じ文章が何度も何度も写されていることもあったとか。執念にちかい熱心さと誠実さが伝わってくる話。誌面にもそういう部分が大いに反映されているような。
全体的な展示内容としては、先述した消化不良(続きが読みたい!)もあって、古本屋で古い「暮らしの手帖」を買いあさって読む方が面白いかも…、と思ったり。
ただ、花森氏の描いた表紙絵の原画を見られたのはとてもよかった。紙も素材もタッチもばらばらなのだけど、どれも自由さがある、楽しく安らぐ絵です。
帰りにショップスペースを見る。今の「暮らしの手帖」社刊行物も並んでいるのだけれど、展示されていた時代の「暮らしの手帖」との魅力の差はやはり歴然としている。本も生き物だから、仕方ないけれど。
◆暮らしの手帖社サイト http://www.kurashi-no-techo.co.jp/
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Posted by 西イズミ
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