2006年09月21日(木)
ためらわず買う [読む]
西の魔女が死んだ 梨木 香歩 (1996/03) 小学館 この商品の詳細を見る |
絵を描くことは、3時間やれば必ず3時間分進むのでとても心がやすらぎます。落ち着きます。楽しいのです。それに比べて話を書くのは、簡単な何気ない話でもとても苦しくなってしまいます。ニガテです。考えれば考えるほど削る部分ばかりになって、最後には何にも無くなってしまう。というのを3回くらいくり返しています。毎日夜に手紙を書いているようなもので、翌朝読み返すと恥ずかしくなったり……。何やってるんだ〜!
で、それが終わるまでガマンしようと思っていた梨木香歩さんの「西の魔女が死んだ」を読んでしまいました。図書館と本好きの子と魔女、という豆本をつくろう、といろいろ調べ物をしていてたどり着いた本です。
登校拒否になった主人公の中学生・「まい」が「西の魔女」こと実のおばあさんの家で暮らしながら、少しずつ自分の生き方を獲得していく話。ラストにいたるまでの楔の打ち方がひとつひとつ丁寧で、そこに心打たれます。決してあざとくなく、垣間見える世界の描写はひたすら誠実。
また、図書館で拝見したかぎり梨木さんの著書はどれも本として大変に美しい。挿画はもとより、表紙タイトルの入り方や、見返しの模様など細部まで読み手の想像力を刺激してくる作りの本なのです。
図書館の棚には「西の魔女が死んだ」「りかさん」「ペンキや」と3冊並んでいたのだけど、「ペンキや」の目に入った数行があまりに面白い空気に満ちていたので、ここで読んでしまうのはイヤだ、と思って、帰ってからアマゾンで「この棚のここからここまでください!」という勢いで買いました。どれもとても面白く、ぐんぐん読める。うれしい。
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2006年08月10日(木)
本の手帳 [読む]
@telier A&Gさんから「本の手帳」という雑誌が届きました。おれいゆさん作の蔵書票が付いているので、うれしさ増。
関美穂子さんの作品を拝見したり、呂古書房(神保町にある豆本とこけしのある古書店)で箱いっぱいあるのをあさったりするうちに、関心を持ってきた「蔵書票」。 ※蔵書票とはその名の通り蔵書に貼るもの。自分の好きなモチーフで作ってもらったり、自分で本にちなんだものを作ったり、自由な発想で作られる小さく美しい紙片です。
そんな蔵書票作品がずらーっと並び、作り方の指南もあり、さらにスタンプに美しい持ち手をつけるカスタマイズ方法や、蔵書票バトル!なんていう企画まで。痒いところに手が届きまくっています。
さっそく「はんけしくん」10個まとめ買いしてしまいました。まずは鳥版画豆本用に彫らねばいけませんが、合間合間に少しずつでも。
■池袋ジュンク堂9Fにて「手作り本と手作り蔵書票」という展示が9月15日まで行われています。
蔵書票はもとより本の形のブローチ(→田中栞さんのブログへ)が気になる!と思いつつ抜けられぬ用事が続いてなかなか行けておりません。はやる気持ちを抱える日々です。
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2006年07月25日(火)
不思議な絵本 [読む]
どうやってたどり着いたかも忘れてしまったサイトで見つけた海外の絵本。
目にまぶしい不可思議な絵。買っても意味がわからないこと必至。
でも、買ってしまった。もう買わないって言ったのに(本を衝動買いしたときの口癖)。それはさておき本はすぐ届いた。
ドイツの絵は…うっ、と胸に迫るほどコワイ。さすがワールドカップの公式キャラクターグッズが全く売れなかった国だ!想像以上に意味のわからぬ摩訶不思議な絵。徹頭徹尾、超硬派な武井武雄が描いたみたいな迫力です。なーにこれ?と読んでいてテンションが上がる。
それに対してフランスの絵はゆったりしている。話より絵を見てね、という雰囲気がむんむんでわかりやすい。とにかく色鮮やかで静かで、美しくてよい。大判の画面だと細かいところまできれいで楽しい。
また夜中に見てしまったらヤバイなと思ったが、ブックマークしてしまった。
*PRECIOUS BOOKS-プレシャスブックス*
http://www.be-all.jp/PRECIOUS-BOOKS/index.html
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2006年03月23日(木)
本の本 その2 [読む]
豆本用にフォントを買いにいったヨドバシカメラで、いい本発見。
●BOOK DESIGN 復刻版
DTPWORLD別冊「BOOK DESIGN」という雑誌のvol.1、vol.2が合本されたお得な1冊です。以前、別冊vol.1だけ取り寄せたことがあるのですが、同時に頼んだvol.2は売り切れで入手できず。こうして復刻されているのは、とてもウレシイ。
この本自体の装丁はクラフト紙に白いタイトルで、かなりシンプル。中身は本の装丁、造本に関する情報と図版がぎっしり。ブ厚く美しくぎっしりの情報量。2500円は安い。
ドキッとしたのは祖父江慎氏の装丁した「釈迦草子」(花輪和一著/双葉社)という本。各章扉の用紙には金が敷いてあり、時を経て酸化して腐っていく過程も含めて装丁されているのだそうです。本に時間が刻印されていく様子が浮かんできて、グッときました。
今日はサイトの構築あれこれ。構築ってほどのものでもないですが。図画工作っぽいサイトになる予定。
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2006年03月10日(金)
本の本 [読む]
●「ネコ部」出来上がりの図。
プレス(重しをのせてしばらく置いておく)を終え、無事12冊全部完成しました。ほっ。
●「珍本古書」高橋啓介/保育社カラーブックス
ネットで購入した良い本。日本の稀本勢ぞろい!の一冊で
・肉筆表紙の本
・表紙が陶製、ガラス製の本
・表紙にルビー付き
・表紙にサファイア付き
・表紙に眼鏡(模造品)を嵌め込んである
…など、だんだんワケがわからなくなっていくほどに豪華本・稀観本・ヘンな本がずらっと網羅されております。『この本自体が「珍本古書」』との説も頷けます。
三島由紀夫「黒蜥蜴」の豪華本で黒蜥蜴の皮が使ってあるものがとても素敵でした。昭和53年当時の価格で10万円。限定50部。(全ての本に当時の価格が書いてあるところも面白いのです)
●「写真にみる西洋の本」庄司浅水/保育社カラーブックス
画像は豆本ページの見開き。革の装丁に箔押し、もしくは型押しのものが多く、どれも美しいです。本文はカラー図版中心で、後半に本の歴史がまとめられています。
*上記の本は両方とも絶版ですが、検索するときっと見つかります。そんな感じで、引越し前なのに本を買いすぎなこの頃なのです。
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