2006年08月21日(月)
革を漉く [製本の道具]
装丁の王道といえば、やはり革。いつかは作ってみたいと思いながらなかなか機会が無かったのですが、イラストルポライターで手製本作家でもある
CRAFT碧鱗堂BOOKS主宰・内澤旬子さんのblog「空礫日記」
http://d.hatena.ne.jp/halohalo7676/
に革装丁のワークショップの記述があって、読んでいるうちにやってみたいな〜(ワークショップは既に定員に達しており、参加できませんでした)と気持ちが盛り上がってきて、画材店の革コーナーに立ち寄ってみました。ところが、革コーナーには革ばかりで包丁などの切る道具が見当たらずオルファの「別たち」というカッターを購入。
まずは家にあった革のハギレで「コバすき(折り返す部分を薄くそぐ)」をやってみます。もともと薄めでやわらかい革なのと、力の入れ方や刃を入れる角度が手探りなのでやたらに時間が掛かります。しかし、面白いです。紙のように薄くなったところで、適当な大きさのボード用紙に貼ってみます。すごーく伸びが良くて、紙よりこころもち小さく裁断してもよいかもしれません。角の重なり部分も意外ときれいに仕上がる。何より、しっとりと心地いい独特の手触りは、作業していても楽しいものでした。
後から同じものをもうひとつ作ったので、アコーディオン(ジャバラ)型の豆本に仕上げるつもりです。量産するのはまだ大変そうですが、漉く練習を少しずつやっていけばいつか革装丁の本も出せるかな?と野望を抱き中。
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2006年08月19日(土)
ゴム印刀を使ってみる [製本の道具]
先日はんけしくんハガキサイズ10個セットを購入した際に、あわせて買ってみたのが道刃物工業株式会社製の「ゴム印刀3本組」。価格は3本組で945円。印刀(切り出し)・三角刀・丸刀の3本セット。
ようやく豆本用の版画を彫り始めたので試しに使ってみました。今までずっとカッター一本でやってきたので、最初こそ力の込め具合が微妙にうまくいかなかったのですが、徐々に慣れていくとカッターのようなふらつきがなくて使いやすい。
印刀はカッター、デザインカッターの彫り味とギャップが少なく、すぐ馴染む。シャープに彫れるので線がキリッと締まる印象。
三角刀は細ーい白抜きの線が引けるので、さまざまなニュアンスにうまく使えそうです。
丸刀は大きい面積をごっそりはぎとるのに大変便利。これがいちばん使って嬉しかったかも。完成のスピードがこころなしか速まった気もしますし、彫った後の版がすっきりきれいに仕上がって気持ちよいです。
3本ともとても気に入りました!もうカッターは使いません。
○道刃物工業株式会社のサイトはこちら
→こちらのページに該当商品の情報がのっています。
追記(2007/4/16)
使いません!って断言してるけどその後はカッター・デザインカッターの気軽さに戻っています。研がないとどんどん切れ味が鈍るので、パキパキ刃が折れるカッターの手軽さが魅力的なのです。
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2006年08月18日(金)
歌集「レディメード/センチメンタル」 [おしらせ]
過去の二つの記事で書いてまいりました「歌集」豆本です。
■新しい本。
■発見すること:表紙のソリ
ご縁があって知り合った歌人・小原メイさんの短歌が14首収録されています。サイズは約93ミリ×63ミリ。扉やの豆本「ユビワカタログ」と同じキラキラした白銀と青銀と用紙を使った継ぎ表紙で、見返し用紙は濃紺。クリーム色の本文用紙に濃いセピア色で印字されています。ずっと持っていたような、気持ちに馴染む色合いです。
扉やは本文の版下と製本を担当しました。表紙イラストと帯のデザインと製作は作者の小原さん自身によるものです。小原さんの歌は情景や風景に色彩感があって、表紙のイラストがすごく雰囲気と合っています。
■下北沢のカフェ/CDショップ/ライヴスペース「mona records」にて販売されています。
マップはこちらに。
価格は600円。お買い得な価格です。
散歩の途中などに出会ったら、とてもよい感じの一冊です。どうぞよろしくお願いします。
※扉やのサイトでは取り扱っておらず、店頭のみの販売となっています。
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2006年08月14日(月)
「手作り本と手作り蔵書票」展 [観る]
ジュンク堂池袋店9Fで9月15日まで開催されている「手作り本と手作り蔵書票」展、やっとやっと観て来ました。
まずは壁面にずらりと並んだ蔵書票を拝見。木版、消しゴム版画、ゴム版画、銅版画…、実物の存在感はやはりちがいます。小さいのに不思議な生命感があるのがいいです。版画の味わいというか、複製できても全く同じものにはならないような雰囲気が、その理由かも。
また、繊細な世界が描かれたり、柔らかいタッチだったり、ざっくり大胆だったり、多彩な世界が並んでいるのも快くて「蔵書票ってどういうもの?」「どうやって作ったらいい?」と悩まずともよいのだなと改めて感じた。小さいけど奥深くておおらかで、私の好きな切手と蔵書票はなんとなくイメージが似ている。
ジュンク堂独特の気持ち言い本棚に誘導されつつ、平台の豆本展示へ。ここで、気になっていた中尾エイコさん作のブックブローチを発見。どれにしようか悩んで悩んで、画像の渋い色のマーブル模様のものにした。マーブルもすべて模様が違いますし、本はちゃんとひらくことができます。小さいのにとても綺麗なつくりで愛らしい。
◆中尾エイコさんのサイトの、販売商品一覧というページにてブローチの画像が見られます。
蔵書票・豆本作品も販売されておりましたが、誘導された本棚にて欲しい本をドンドンドン、と見つけてしまい手持ちがなくなってしまい、唸りながら鑑賞するばかり。日を改めてまた買いにいってしまうかもしれない。
ジュンク堂9Fの下りエスカレーターから見える夕暮れ時の空、秩父の山?のシルエットが浮かんでとても美しかった。
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2006年08月13日(日)
コミックマーケットC70 [観る]
おそらく4回目くらいの夏コミ。未だ毎回「こんなに人がいるところ見たことがない…」と驚く。私にとっては最も人口密度の高い本の市。商売っ気のない(単に商売っ気のある本とご縁がない)趣味性の高いすごくよい本が見つかります。絵本や研究本、エッセイ・小説など、「コミック」以外の本もたくさん。もちろん、漫画の中にもヨイ感じの本が多々あります。
私が毎回非常に楽しみにしているのが「オンツァケスの森」という夢日記の漫画。「他人の夢の話」といえばツマラナイ話の代名詞みたいなものですが、このサークルによる杉浦茂ばりのアジのある絵できっちり描かれるそれは、自分も夢を見ているような気持ちになれる不思議な世界。何度も読み返してしまいます。
○「マンガ市場ドットコム」にて一部読めます。(全部のページを閲覧するには会員登録が必要です。利用料金はかかりません)
今回初めて買ってみた「チョコミンツ」さんの小さな絵本も良作。サリーというちょっと変わった女の子の話と、カラスの女の子の話が2冊セットになっていて、両方とも浮遊感・開放感があるすいすいとした絵でとても心地よいです。
○チョコミンツさんのサイト http://chocomints.at.infoseek.co.jp/
その他、ダンゴムシ模様手ぬぐいとか、画像の弥次喜多キューピーなど本と並んでグッズを作っているサークルもあります。
○カプリチャナさんのサイトで、手ぬぐい実物が見られます。
ダンゴムシの他に微生物手ぬぐいの画像もありました!ほしい。消しゴムはんこで作られているそうです。手ぬぐいのほかに、ぬいぐるみも作られています。
○弥次喜多キューピーの販売サークル名はわからなくなってしまいました…。
そんなこんなで、2時間くらい会場をぐるぐると回っては本が増えていき、充実感を持ってお昼すぎに帰りました。
私にとって即売会は、人気・不人気で判断するのではなく自分のカンで面白いものを探す喜びがある場所。これは書店や図書館でも同様かもしれませんが、書店に並ぶ作家とくらべ圧倒的に無名の書き手が多いぶん、同人誌即売会の方がその楽しさは大きいのです。
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