2007年09月14日(金)
ヨコハマへ [観る]
神奈川近代文学館に「佐藤さとるコロボックル物語展」を観に行く。今月、かなり時間がぎちぎちなので、行けないかも…と思い悩んでいたのだけど、ある朝「寝なければ行けるんじゃん?」と閃いたのでそのまま突っ走ってみた。(電車の中で爆睡)
「だれも知らない小さな国」はいつだったか、多分10歳前後に読んだやたら吸引力のある物語で、ふと眼前にあらわれたコロボックルたちが跳ね回るのを主人公と一緒になって追ううちにみるみる読み進んで行く。その最中も読み終えてからもものすごく満たされた。多分、多くの人が同様の体験をしたのだろう、今に至るまで根強く支持されている名作シリーズなのだ。そんな作品が生まれた背景や、佐藤さとるが作家になるまでの過程が、当時の写真や実際の原稿などの資料と共に並べられている。
印象的だったものがふたつあって、ひとつは幼少時に悪戯をした罰に書かされた「もう二度といたしません(うろおぼえ)」といった毛筆の反省文。用紙いっぱいにちらばった文字にコドモが拗ねたときの雰囲気があって面白い。横にはバーン、と押したときの音が聞こえそうな、墨色のてのひらが並んでいる。これは御本人にとっても印象的な体験だったようで、「てのひら島はどこにある」という作品に生かされているようです。
ふたつめは、戦時中に同級生と一緒に並んで写真。その頃、同級生たちに「戦争が終わったら童話を書く」と宣言していたとのこと。3,4人で並んで、和やかな表情をしている、なんてことのない写真なのだけど、強い未来への意思とその切実さが伝わってきました。「だれも知らない小さな国」もそのような強い意志を持って書かれた物語で、3年もの歳月をかけて繰り返し繰り返し推敲されたのだそう。”消しゴムで書く”という表現を使うほどだったとか。「消しゴムで書く」もさらっと印象深い、よい言葉。
こじんまりした会場だけれど、作家と作品に対して情熱を持ってまとめられた丁寧な展示。30日まで。大人400円。
●余談:すぐ近くの大佛次郎記念館もよいです。猫好きで有名な作家だからか?周辺に猫が多かったり。
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2007年09月13日(木)
雨はこまる [日常]
まだまだ、猫楽百貨の制作中であります。未だに自分の中で決まらないこともあるのですが、決まっていることからなんとか。どうしてもこれだけは!と思っていたものが出来そうでほっと一安心。
しかし、最近雨が多いです。つい何日か前、傘を開く間もないような勢いでどじゃーっと雨が降ったとき、思わず駆け込んだ文具店レジにて「まったく……オレの人生と同じだよ…」とか言いながら傘を買っている紳士に遭遇。いつもキビキビ働いている店員のおじさん、なんて返す!?とドキドキしたのですが、まるで合気道の技のごとく受けずに流してました。なるほどなあ。
しかし紳士も黙っちゃいません。聞こえなかったのかい?とばかりに「はハハッ…オレの人生と…」と繰り返した!だがやはり店員のおじさん全く動じずこれまた流す!っていうかそのワードだけ完全無視。意地になってきた紳士が会計をしてもなお饒舌に不幸エピソードなどを語り始めたあたりで、
制作もあるし、と攻防の結末を見ることなく店を出たのでした。
ほどなくして嘘のように雨も止んできて、ひょっとしてあの紳士、傘不要だったのでは?とか気になりつつ。それはそれで「オレの人生と同じだよ…」って思うのかな、やはり。こんな寄り道をしつつ、作ってます。
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2007年09月03日(月)
2007年08月30日(木)
2007年08月22日(水)
ガテン系に [おしらせ]
本日22日発売のリクルート「ガテン」誌の巻頭記事「職人ワザ! サイズ究極 でか×ミニびっくり手仕事図鑑」に扉やの作品+記事が載っております。これで今日からガテン系です。…とかいいつつ自分ではまじまじ見るのが気恥ずかしい。
6月にも豆本図書室でお世話になった神谷町オープンテラスさんにて和やかに取材をしていただきました。職人というには頼りないですが…、創作の一端を記事にまとめていただき、豆本写真も大きくキレイで感謝感謝です。ありがとうございました。
鉄道模型にアドバルーン(マトリョーシカのデザインがかわいい!)、ミニチュア制服に特大せんべいと、色々な分野の職人さんたちの制作秘話が読んでいて興味深いです。
しかし、本当に我が身を振り返ると「職人」への道はまだまだ遠い〜。今日も明日も鍛錬しないとですね。
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