2005年12月23日(金)
弥生美術館「こどもパラダイス」を見に行く。
弥生美術館・竹久夢二美術館へ、またしても展示終了ぎりぎりに行ってきました。
1920〜30年代の児童雑誌に描かれた貴重な作品が並んでいます。服装が和服から洋服になっていったり、町に高層ビルが建ち、近代化してゆくなど、時代がめまぐるしく移り変わってゆく様子が雑誌の挿絵にも次々と反映されていく過程がとてもわかりやすく展示されていました。ヴァーチャルに追体験しているような濃い空間。作品数の多さにも大満足。
武井武雄氏の作品を目当てに言ったのですが、「安井小弥太」という人の乗り物の絵がズバッと迫ってきて、非常にカッコよかったです。鉄道の絵とか、駅の絵とか、画面の空間を生かしきった高低差と奥行きのある絵で心が躍りました。「きっと超有名な人だ!」と帰宅してすぐ検索をかけてみたのだけれど、あまりヒットしない。うーんすごくいいのに…。
こちらに作品がありました→ http://www.kodomo.go.jp/gallery/digi/KODOMO_WEB/gallery/g_j070.html
どの作品にも安易なファンシーさがなく、美しく潔くかっこよくて"上質の芸術を子供に!"というコンセプトのもとに作られた雑誌だというのが頷けるものばかり。
目を楽しませてもらったと同時に”オソレイリマス”という気持ちになりました。そして、あたらしい豆本の絵を書くためのヒントがたくさん発見できました。
そして、帰りにショップスペースで(またツボにはまるグッズがたくさんあるのです)モノスゴイ本と目が合ってしまったのです。それが画像の本「たべるトンちゃん」。初山滋著。
初山さんの絵は本当に独特で、存在感があって、でもスキマもちゃんとあって不思議な空気なのですが、この本はそんな空気が濃度倍増になったような一冊。くいしんぼうのブタがあちこち食べ歩くだけなんですけど、ブタも作者もおっそろしくマイペースなのでページをめくるごとにガーンと頭を蹴られたようなショックが。最後も「こんなんでいいのか!」というオチで。買ってよかった一冊です。
好きなものが増えて嬉しい一日でした。
Posted by 西イズミ
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