tobiraya BLOG

最近、たびたび「豆本作りを教える機会は？」と御質問いただきました。ありがたし。しかし、私はこれまで一度もワークショップ的なことをした事がありませんで、多分今後もしないと思います。その場ではもにょもにょと口ごもってしまったのですが、思うところあって、以下に後出しの言い訳を！

まず、一に技術不足、二に人見知り、三四が無くて、五に面倒くさがり。まーどうやっても向いてません。
だいたい私が豆本を愛好する理由があるとしたら、その存在のささやかさ、密やかさにおいてこそであり、しばしば豆本の大きさの定義や製本の約束事を二の次にしてしまうことも。そんな自分が教える立場になるのは、不安だしちょっと危険です。

次に、豆本は「本」なので中味が肝心です。日々の一言を綴ったり、蒐集した切手を貼ったり、物語にしたり、詩を書いたり、旅の記録を書いたり、風景をスケッチしたり、誰かへの手紙でも良いでしょう。何でも良いんです！　何かを本の形にする、そのわくわく感こそが扉やの製作をすすめてくれる力であり、おそらく、製本作業そのものはそこまで悦びを感じる作業ではないわけです（これについての善悪は別として）。いや、素材選びとかは楽しいんですけど…。

もしも作りたいけどできるか不安だ、とか、細かい作業が嫌いだ、という場合は、市販の手帖サイズのノートやメモ帳などを（無印良品にプレーンなもの各種。カルトナージュ用品売り場にも。絵手紙用品売り場には折帖タイプが充実）シールやラッピングペーパーで装飾して「自分だけの一冊」を作っても良いんじゃないかな、と思います。

豆本は、ささやかな気持ちを閉じこめるのにちょうど良い大きさです。気軽に喜楽に。別に量産する必要なぞないんです。人に見せる必要も。あとからそっと見返して、なにか楽しい事を思い出したり「なんでこんなもん作った？」と不思議になったりするのが醍醐味ではないでしょうか。
ヘンゼルとグレーテルが道に迷わないようにちょっとずつ置いていったパン、あんな感じのものが私にとっての「豆本」ではないかと思います。パンじゃないから、小鳥に食べられなくて安心。（作品としての豆本は、もちろんこの限りではありませんが…）（と、いいわけのいいわけ）

3回目の展示「みつまめ」も無事終了しました。
ご来場・閲覧・ご購入・お話ししていただいた皆様、お世話になったカフェギャラリーオルガさん、本当にどうもありがとうございました。（年賀状をもってお礼状と代えさせていただきます）
毎度まだまだ至らない点を痛感しますが、現状からまた一歩一歩、前向きに作業を進めていきたいと思います。すでにお伝えしましたが、来年は5月（猫っぽいもの）、12月（豆本）と展示を行う予定です。どうぞよろしくお願いいたします。

また、今回発表した作品のサイト販売は、しばし先になってしまうと思います。恐れ入りますがご了承ください。というか、気付けばサイトで発表していない作品がものすごく溜まっているのでした。ああ…。

まず【お礼】。本日無事に「みつまめ」最終日です。どうもありがとうございました。在廊予定日ではないときに、本当に偶然に入っていらしたお客様とお話できたりして、展示はやっぱり貴重な体験ができるなあ、とありがたく思っています。
というわけで本日も14時から少しの間、オルガさんでお茶を飲んでいます。
ちなみに、今オルガさんで売っているリンツのチョコレート「ピレネー」は、柔らかくて口溶けがよく、とても美味！クリスマスが近づく頃売り出させるチョコレートで、残念ながら日本では販売されていないのだとか。豆本もおすすめしたいのですが、チョコも超おすすめです。

そして【お詫び】です。実は、新刊「旨き味」に1行抜けがありました。（お買い上げ頂いた方にはわかる範囲でご連絡しております。返品・交換応相談）。抜けていたのはある文末の約10字。昔、広告屋さんで写植（ってまだ在るんだろうか？）貼りをしていたとき培った「紙剥がし」を久しぶりにやりまして、うすいーうすーい紙を貼って修正しています。
チェックが甘くて、本当に申し訳ありません…。

【そしていろいろ】。
来年の展示予定もちらほら決まって参りました。とりあえず5月12月と。いろいろな試みを重ねつつ、新しいことを模索していこうと思います。

入り口

撮ってきました。カメ治郎。「みつまめ」会場写真です。
ちなみに、本日は月曜日につき、Bar timeのみの営業となります。お気を付けください。

■会場カフェギャラリーオルガ
TEL：042-582-1297
開催期間：11/24(火)〜12/12（土）
時間：cafe　12時-19時　bar　19時-24時
休日：日曜日　カフェは日・月お休み
（月曜日はバータイムのみ）

※12/5と12/12両日14時以降数時間在廊します。

豆の本

象の本

窓辺

ぶれた見本たち

読んでいってね

すごくよい表紙

「旨き味」という食べ物の本についての豆本を作ったのですが、その中に出てくる「味覚極楽」「舌の上の散歩道」の2冊を置かせて貰っています。よかったら、こちらの方も手にとって読んでみてくださいね。

特に「味覚極楽」は昭和2年連載のインタビュー本なので、現代との味覚の差が面白いです。だから選んだ、というわけでもないのですが、日野とは新撰組つながりの子母沢寛の作品。

文鳥

鳥は偽物

「わたしに/あなたへ」

よろしければ、御感想をお寄せください

滞在時間中、ちょうどいらしたお客様が買ってくださいました。ありがとうございます。感想カードもありました！やったー。ありがとうございます。

●お知らせ
管理の都合上、自由に読める既刊本トレイは奥に移動しているそうです。（新作見本は目立つ場所に吊り下げられています）なにか読みたいものがありましたら、恐れ入りますが、オルガの方にお声をかけていただけたらと思います。宜しくお願いいたします。